ドッジボールのつぶやき

次男坊が所属していた競技ドッジボールチームのスタッフとして子どもたちと一緒に悩み、一緒に喜んでいます。 日々の練習・試合で感じたこと、思ったことを備忘録として残していきます。

明日、15日(土)は栃木県宇都宮市で開催される開倫ユネスコ杯ドッジボール選手権大会にオフィシャルチームが参加させて頂きます。
2023年度の新チームになって初めての大会参加・初めての試合となります。

まぁ、どこのチームも一緒だと思うのですが。。。

参加チームは24チーム。
6チーム編成の4つのリーグで予選。
全上がりのトーナメントのようです。

地元栃木県のチームさんを中心に群馬・茨城など北関東の有名チームさんの名前ばかり。。。

「優勝を目指す!」と言いたいところだけど、それは選手たちの気持ちの問題。
しっかり、そういう気持ちになれるように準備をしましょう

さて、鬼コーチとしては、チームの緒戦となる大会。次の2点を自身の課題と考えています。
①何ができるのか?
②何ができないのか?
それをしっかり把握し、選手たちと共有することです。

そのため、鬼コーチは仕事のさなかこっそりと新たなスコアシートを作成してみました。
春の全国大会のときだったかな?
SNSかなんかで、「野球の得点板形式のスコア」という書き込みを見て、
「ん!?これはいいかも!♪」と思ったものです。
現物を見たわけではないのですが、多分、こんな感じじゃないかと。。。

   1 2 3
攻撃:0 1 2
守備:1 0 1
↑こんな感じのイメージ。

1回の攻撃⇒1人も当てられず →攻撃権交代
1回の守備⇒1人当てられ →攻撃権交代
2回の攻撃⇒1人当てて →攻撃権交代
2回の守備⇒1人も当てられず →攻撃権交代

攻撃権のある競技のため、野球の得点板のようなイメージとのことだったので、多分こんなイメージかと。

攻撃権の交代要因も併せて記録しておくことで、攻撃の場合、パスミスで攻撃権が変わったのか、相手のキャッチで変わったのかを「数値」として把握できます。
また守備もボールをキャッチして交代とアウトだけどボールを残して交代なのか、相手のパスミスなのか等を記録することにより、それぞれを「数値」として把握できます。

取りあえず、明日の守備の課題は基本中の基本である「ボールを残すこと」にしようと思っています。
(それしかやってないし・・(笑))
ボールを残すことの重要性は選手たちも理屈として理解できています。

しかし、ボールを残して「攻撃権を奪う回数」が試合の勝敗にどのように影響してくるのかを「見える化」した方が練習の際の意欲につながるのではないか?
というより、「つなげよう」・・
「つなげてください!!」(笑)

攻撃の課題は「しっかりアタックで終わること」にしようと思っています。
「当てろ」ではないので結構簡単そうな課題なのですが、その前提となる「パス」がしっかりしていないと、最後の「アタック」につながりません。
パスミスによる攻撃権の交代が何回あったのか?どっちのチームが多いのか?その数が勝敗にどう影響してくるのか?
その辺を感じて、理解すれば、もっともっとパス練習の意識が変わると思うのです。

というより、感じて・理解して・変わって・・ください(笑)

兎にも角にも。
この2週間取り組んできたことが「できたのか?」をしっかり数値として共有し、
できたときと、できなかったときの勝敗の違いをしっかり共有しましょう。

なんだか、鬼コーチにしては珍しく弱気なことばかり書いたような気がしますが。。。

ま、10カ月ぶりの大会とはいえ。。。

「目の前の相手を倒すだけ。それをくり返してれば勝手に賞状はついてくる。」
ずっと言い続けている気持ちは変わらないぞ。




12日(水)は18:00~20:30までの定例練習日。

いつものように19:30過ぎに体育館到着。
この日もジュニアチームの元気な声が外まで聞こえます(´∀`*)

体育館に入るとオフィシャルチームはミニフォーメーション練習中。
この日も沢山のOB・OGたちが来てくれたので、キャッチ練習を追加しました。

監督は所用のためお休み。
月曜日の練習の最後に、「水曜日は大会前なので徹底的にOBたちに撃ち込んでもらってください」とお願いされていたので、早速フォーメーション練習。

攻撃陣の6年生が怪我をしているため丁度良かった♪

『何本キャッチですか?』と聞かれたので・・・

「うーん。今日は少しルールを変えよう。」と鬼コーチ

当て数とキャッチ数で得点差をつけ、3分間の勝負とします。
アタック成功⇒攻撃(OB・OG)2点
キャッチ成功⇒守備(現役)2点
アタック成功、但し守備がボールを残した場合⇒攻撃は1点
(守備は1失点で済む)
攻撃陣のパスミス⇒守備陣に1点加算
(避ける・パスカットで邪魔するの意識で1点得点チャンス)

勝ち・負けがかかると途端に元気になります(笑)

積極的にアシストキャッチを狙う姿勢も見えました。
(あくまでも「狙う」です。。。(゚∀゚)アヒャヒャ)

時間ギリギリまで徹底的に撃ち込んでもらい練習終了。
最後の終礼。

チームのOBで普段はジュニアチームを中心に見てもらっているコーチから
『週末はオフィシャルチームは初めての大会。目標は?』

聞かれたキャプテンのT。「・・・・・」

『まぁ、緊張しないで思い切りやってこい!』とコーチ。

うーん。。。。。
先日、チームの目標を話合わせたときも『全国大会出場』という言葉を聞くことはできませんでした。

『勝ちたい』という気持ちはあるのでしょう。
それがなければ、ボールをぶつけ合う競技など好き好んでやることはないでしょうから。。(笑)

なぜ『優勝を目指します!』という一言が出ないのでしょう?

トロフィーやカップ、賞状は欲しいはずです。
卒団式でジャンケンでの奪い合いの様子を見れば分かります・・・(笑)

それなのに、なんで『入賞を目指します!』という一言が出ないのでしょう?

『優勝します!』と言って優勝できなかったら【怒られる】と思っているのでしょうか?
だとしたら、それはこちらの責任です。指導の仕方が間違っているのでしょう。

『優勝します!』と言って優勝できなかったら【カッコ悪い】と思っているのでしょうか?
だとしたら、毎年、卒団式で卒団生たちに贈った言葉を聞いてなかったのでしょう。

いずれにしても、【優勝したいという気持ち<優勝を目指すこと以外の何か】の状態なわけで。

確かに6年生7人は昨年度の1年間だけでなく、早い選手は3年生からオフィシャルチームの一員として戦ってきました。
その分、この1年間ともにしのぎを削る仲間たちの実力を良く分かっているわけで、【優勝すること】がどんなに難しいのかを身に染みて分かっているからかもしれません。

でもね。

目指すべき方角・形・姿をはっきり捉えて進むのと、進みながら探すのでは、どちらがより早く目指すべき場所に行きつけるのかを考えれば、前者であることははっきりしています。

辿り着けることが大切なのではなく、目指す方角・形・姿とそこに真っ直ぐ進もうと努力することこそが一番大切なことであり、目標を叶えるためには絶対に必要なことなんだけどなぁ。。。

やらせることは簡単。
鬼の大声で一喝すれば良い。

やろうとさせるには??

終礼後、攻撃陣の6年生4人に声をかけました。
週末の大会に向けての攻撃のポジションの確認です。
監督からは一番背の高いYを元外野でスタートと聞いています。

それぞれの内野の役割等も説明したあと。

「実際、君たちはどう感じてる?」

うーん・・と思案顔。
少なくともしっくり来ていない感じ?
それとも自分たちで先輩たちのような攻撃ができるのかの不安か?

「君たちは3年生のころからずっとオフィシャルチームを支えてきたんだ。
 君たちが4年生のころコロナで神社の練習のときの紅白戦。
 君たちはまだ4年生なのに、外野と内野で挟む連携だとかいろいろ考えてプレーしてた。
 君たちはしっかり自分たちで考えてプレーできる4人だと思っている。」


「だからだ・・・
 もっと自分たちの意見を言っていいよ。もっと声を出していいんだ。
 とりあえず、週末の大会のスタートは監督の考えなんだからYの外野でいこう。
 でもねY。自分で内野アタッカーの方がいいと思うなら言っていいんだ。
 K。君も内野よりも外野の方がいいと思うなら言っていいんだ。
 【自分たちが勝つためにはこうした方がいい!】と思うものがあるなら声にするんだ。

 監督が目指しているのは、スタッフの指示通りに闘うチームじゃない。
 君たちも見てきたからわかるだろう?
 監督が目指しているのは、自分たちで考えて自分たちで闘うチームだ。」

4人が大きく頷きます。

「だから声を出していいんだ。こうしたい!あーしたい!ってことがあるならどんどん声に出して監督や私に伝えてくれ。もう君たちは6年生になったんだ。自分たちのドッジボールをやるんだよ。
 少なくとも君たちがこうしたい!と言ったことは必ず監督に伝えるから。」

君たちに力があるのかはまだ分からない。
でも。
【経験】があることは間違いない。
同級生たちが楽しそうにジュニアチームで練習しているなか、君たちは早くからオフィシャルチームでヒリヒリする勝負を経験してきたんだ。

思い出せ。
そして声に出せ。

そのとき感じた目指すべきものは人から与えられたものではなく、君たちが見つけたものになるはず。
 

毎年、新チームに移行した際に、選手と約束事を決めることとしています。

①大きな声で挨拶をすること
②監督・コーチが話をするときは目を見て話しを聞くこと
③返事をすること

何かを学ぶときの基本となること、大人になって社会生活を送るうえで大切な基礎です。
この3つについては「約束事」なので、やらなかったら叱ります。

4月3日(月)から新チームに合流したものの、まだこの約束事を伝えていませんでした。
忘れていたわけではありません。
【伝えることができなかった】のです。

5日(水)の練習。
おチビちゃんのチームの練習を見ていると。。。
2年生の選手が2人います。
まぁ、この2人が・・・・(゚∀゚)アヒャヒャ
2年生とはいえ、所詮は8歳児。まだ7歳児です。
生まれてまだ7・8年しか時を経験していない子どもにこの約束事3つは非常に難しいと思います。

もちろん、それをしっかりできる1年生も2年生も沢山いますが、できない子も沢山いるものです。

立場上、この約束をした以上、私は「やらない」ことを叱らなければなりません。

話している途中で後ろを見たり、足元を見たりすると話しを止めます。
まぁ、30秒もすれば気が付きますが・・(笑)

さて、どうしようか?
鬼コーチとして大きな声で叱ることは簡単です。
でも、多分まだ分からないだろうし。。。

鬼コーチは1つの作戦を思い付きました。

そして迎えた先日の9日(日)の練習。

運よく(?)、件の2年生のママさんがお当番さんでした。
「Aはまだ黙って話を聞くとか難しそうですね~」
『家ではきつく叱っているんですけど・・・』とママさん。

「ママさん、約束して欲しいことがあります。
 多分これからAは私に何度も叱られることになると思います。
 他の選手たちの練習の妨げになると判断したときは、申し訳ないけどお家に帰します。
 でも、叱らないでください。そして、Aが次の練習に行きたいというなら何度でも行かせてあげてください。
 何度でも帰します。それでもAが行きたいという以上は辞めさせないでください。
 必ず、いつか変わるときが来ると思います。
 上級生にもそういう選手は何人もいましたから(笑)

 それに、今日、6年生たちがAを守るための作戦を考えますから(笑)」

ママさんのご了承を得たので第一段階クリア

さて、ここからがミッションの本番です。

アップを終え、10分間の休憩の際に6年生をステージに集めます。

キャプテン・副キャプテンに期待していること。
コートリーダーに期待していること、をそれぞれ伝えます。
今年の6年生は7人います。
キャプテン・副キャプテンは3人。
コートリーダーは2人。

残ったのはMとK。

「さて、MとK。君たちはどうする?」

『じゃ、バックのチャック閉め係になります!』
ムードメーカのMが「閃いた!」とばかりにすかさず答えます(笑)
先日、バックの摘発の際に見事に全開の自分のバックを摘発したM(笑)

「おー!いいね!じゃ、バック奉行はMに任せた。」

「Kはどうする?」

しばらく思案顔のK。
『下級生への声かけを頑張ります。』

「うん。それはいい。キャプテンやリーダーたちから厳しいことを言われたときに優しい一言をかけたり、逆に下級生がふざけているときはしっかり声をかけることも6年生の大事な仕事だから任せたぞ」

6年生7人に伝えます。
「それぞれキャプテンとかリーダーとか役割があるけど、これは与えられた役割。
 役割が与えられないとき、『自分はいいんだ』と考えるのはダメ。
 今のMやKのように、与えられないときに自分で『何ができるか?』を考え、行動することが大切だよ。
 キャプテンやリーダーが言ったことをチームの全員が理解できるように支えてあげること。
 逆にいえば、キャプテンやリーダーが言わなくてもみんなが行動できるように声を出すこと。
 この1年間、7人全員でこのチームを引っ張っていくんだよ」

【②監督やコーチが話をするときはしっかり目を見て話しを聞く】
さすが6年生。しっかり覚えていてくれました

「さて、次が本題です。。。」
7人の目線が集中します。

「今日、このあと、3つの約束事を発表します。
 覚えてる?」

しっかりと3つを答えてくれました。

「うん。問題は・・・
 ②の目を見て話しを聞く。
 これができると思うか??」

『あー・・・・・』
6年生たちも2人の顔が浮かんだようです(笑)

「そこでだ。君たち6年生へのミッションだ。
 私は立場上、約束した以上、守れない人を叱らなければならない。
 でも、まだ2年生のアイツらにはちと難しい。。。
 あの2人を守る方法を考えなさい!」

うーーーん。。。
7人が思案顔のなか、バック奉行(笑)のMが「閃いた!」とばかりに目を大きく見開き、
「逃げる!」ドヤ顔(笑)

一同「・・・・・・」(笑)

「逃げてどうすんだよ。。。。
 うん。でもいい線いっている。
 考え方はそういう方向でいいと思うよ」
鬼コーチがいたずらそうに微笑みます。

そうそう。もう少し。。

うーーーーーーーーん。。。

「大切な花瓶を割ってしまったとき。
 どうする?」

『謝る!』
「まぁ、それが正解なんだけど・・・
 今考えるのはそういう方向じゃなくて・・・」

『接着剤で直す?』
「まぁ、そういう方法もあるけど、2人のおチビを接着剤でくっつけるわけにもいかないし・・」

真面目なヤツはこういうときに困ります(゚∀゚)アヒャヒャ

『隠す???』誰かがつぶやきます。

「そう!それ!
 要するに鬼コーチから話を聞いていない姿が見えなければ、鬼コーチも怒ることはない。
 見つからなければいいんだ!」

ようやく鬼コーチの意図が理解できたようです。

「問題はどうやって隠すかだ。
 さぁ、おチビを守るために考えろ!」

あーだ・こーだ・どーだ・・・・(笑)
無い知恵を集めます。
三人寄れば文殊の知恵(笑)

休憩時間も終わり、いよいよ本番!

「キャプテン集合」
鬼コーチが選手を集めます。

6年生の想いを知らぬ2人のおチビたち。
列の先頭に立とうと6年生たちの隙間を強引に前に出ようとします(笑)

『オフィシャルチームが前列に並んで。
 その後ろにジュニアチームが並んで。』
6年生たちが指示をします。

それまで一列に半円を作っていたのが突然の変更。
ジュニアチームたちはアタフタ(笑)

『Aはこっち。Kはこっち。
 キャプテンと副キャプテンは両サイドでAとKの隣!』
6年生がてきぱきと整列させます。

①2人一緒にいるとちょっかい合戦になるので先ずは左右両端に引き離す。
②その横にジュニアキャプテン・副キャプテンを配置し監視。
③Aは背の高い6年生Yの後ろ。Kは次に背の高いMやKの後ろ。

どうやら6年生が考えた「おチビを守るフォーメーション」はこんなところでしょうか?
(゚∀゚)アヒャヒャ

うーーーん。悪くない♪

3つの約束事を伝えることができました。

下級生を守ること。
これも大切な6年生の役割です。

今日のようにこれからも「どうしたらできるか?」を自分たちで考えること。
それが「チームを引っ張る」ってことだからね。

君たちならちゃんとできそうだ





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