予選を2位通過した我がチーム。
不思議と私も子どもたちもどのチームが決勝トーナメント1回戦の相手になるのか気にしないで昼食を。
決勝トーナメント組み合わせ発表。
1回戦は予選リーグ3位となった関東大会ベスト4進出の市内チーム。
いつもトーナメントで必ず立ちふさがる相手(笑)。
恐らく「このチームにだけは負けるな」と互いの監督が言い合っている良きライバル(笑)。
先週の全国大会予選で予選リーグで5人まで削られた。・゚・(ノД`)
みんないい笑顔で試合をしていた。今日はなんか元気がないように見えたのが気になっていたあのチーム。
「さぁ、ベスト4挑戦第2話だ」そう言って選手を送り出す。
双方、ボールキープして相手のディフェンスを崩すスタイルのチーム。
唯一、相手にカットがいないことが我がチームにとっては闘いやすい相手。
序盤から相手の攻撃を凌ぎあう展開。
8-8のままVポイントゲームに。
最後は6年生エースの気迫のアタックで、本日の目標1セット奪取に成功!
先週の借りも返せた。

つづく2回戦。個人的な予想としては、県大会ベスト4の市内チームになるはず。
煙草を吸って待機場所に戻ると子どもたちが「対戦相手は市内の●●さんです。▲▲さん負けちゃいました。」
市内の●●さん。今年は6年生がおらず5年生・4年生を中心としたチーム。
でもでも実力は計り知れない。今日の予選を見ていても決して悪くなかった。でも何となくいつもと違う感じではあったけど。予選は4位だったんだ。
「まぁ、彼らなら決勝トーナメントになって生まれ変わるだろう」と思っていたチーム。
恐らく来年の埼玉県の中心になるチーム。
さぁ、我がチームの子どもたちよ。どうする?

試合開始。序盤から互いの守備陣が頑張る展開。
何度も「もらった!」と思ったアタックも「全員でキャッチする」というのがぴったりくる感じの相手のディフェンス。
「おぉ!」と思う相手の攻撃をこちらも6年生たちがなんとか凌ぐ。
終盤。最高の角度で放たれた相手のアタック。
狙われたのは先週の大会をベンチメンバーとなって悔し泣きした5年生K。
しっかり膝をついて難しい低めのアタックをキャッチ!
なんとか2試合連続のVポイントゲームに。
相も変らぬ鉄壁の壁。相手のアタッカーのミスに何度か助けられる。
最後は元外野の6年生が決めて2戦連続のVポイントを制し、久々のベスト4進出!

準決勝の相手は市内の強豪チーム。お昼休みに埼玉チャンプの監督さんと話したときに「一番闘いにくい相手」と言っていたチーム。埼玉チャンプからセットを奪ったことがある県内2チームのうちの1つ。
我がチームも今期、夏以降は全く勝てない強豪チーム。「鉄の壁」まさにそんなチーム。

「みんなで考えてここまでこれた。この先も一緒。どうすればいいのか?どうしたいのか?よく考えてください。そして行動してください。ベスト4チーム第3話の始まりです。」
決して緊張するわけでもなく、かと言ってだらけるわけでもなく、いつもよりもいい笑顔でコートに向かう子どもたちをベンチから見送りました。
1セット目。思ったとおり、相手の壁が崩せない。
でも、守備陣も頑張った。その頑張りに応えるように慎重にボールをキープし、チャンスを待つ攻撃陣。

「ガンガン撃って闘おう」
夏の交流戦。目の前のチームとの決勝戦。それまで1セットも奪えなかった。
チームのスタイルとして「ボールキープをしてしっかり試合を作る」ことを課題として挑んだ1日。
撃ちたくてしょうがない攻撃陣。(*・ε・*)ムー
監督が所用で早退したことをいいことに、その日初めての攻撃許可。笑
活き活きとした表情でプレーする子どもたち。
一気に盛り上がるチーム。初めて奪えた1セット。
でも、その1セットだけだった。やはり、攻撃力のパワー不足を痛感させられた1日。その相手。
あんなに「撃ちたい!」光線を放っていた6年生3人が自分たちで考えて出した答え。
「ボールをキープして試合を作ろう」
なんとか凌ぎ、ついに3試合連続のⅤポイントゲームに(笑)。
最後はエースがしっかり決めてこの日、ベスト4チームからこの日2セット目を奪取成功!

3試合連続のⅤポイントゲームを制し、選手たちの表情も明るい。
「さぁ、2セット目。ここまできたんだ。もう一度、埼玉チャンプに挑戦しに行こう。
 そのために、まずは目の前のこの一戦に集中しよう。思い切りやってきなさい。」
2セット目も第1セットと同じ展開かと思いきや、徐々に相手の巧みな攻撃でリードを奪われる。
いよいよ残り30秒が目前。「うーん」と思った矢先、キャプテンが勇気のカット。
そのボールが外野へ。外野からのリターン。
「えっ!?」確かに中途半端なコースだった。でもその先にはうちのエースが。。
相手のカットマンとしては、ここを抑えれば勝ち確定。そんな気持ちだったのかな?
内野側のカットの失敗で逆転成功!元外野の6年生帰還。
外野には5年生サブアタッカーと5年生の次期アタッカー候補生の2名。
内野のエースはボールを5年生の次期アタッカー候補生へ。
残り30秒をきっているはず。
ここが経験なんだなぁ。。。候補生5年生。緊張したんだなぁ。。。
慌てて内野に戻そうとコースも考えることなく放ったパスを今度こそ完璧なカットを食らう。
相手のカットマン。キャッチ動作に入って前に出てきていたエースに振り返りざまのアタック。
4セット連続のⅤポイントゲームに。笑
追いついた方と追いつかれた方。心理的に不利なのは普通追いつかれた方。
「ここまで3つ取ってきたんだ」
追いつかれたことよりも4連続のⅤポイントを楽しむかの表情。

「楽しいね。」そんな言葉がぴったりの表情。

ジャンプボール。互いに何回かの攻撃を凌ぎ、相手の攻撃。
見事なパスワークに、6年生選手のターンが一瞬遅れる。
「やはり強いチームは見逃してくれないなぁ」
セットカウント1-1。

「最後だ。どうせなら最後もⅤポイントで決めてこい。アタッカー陣が必ず決めてくれる。
 思い切り撃ってこい。守備陣が必ずボールを奪い返してくれる。
 全員で思い切り楽しんできなさい。」
 そう言って見送った子どもたちの表情はなんとも言えないいい笑顔。

 試合開始。さすがベスト4チーム。これまでとは違う集中力。あれよあれよという間に5年生サブアタッカー二人が当てられ外野に。。。。
「まぁ、これで元外野は戻しやすくなったけど」
 そこからまたも動かない展開。
「もう少し、この子たちの試合を見ていたいね。」ぽつりと監督がつぶやく。

4月から10か月。
「アタックを取られるのが怖いならアタッカーなんかやめちまえ!」
「自分は当たらなかった。最後までコートに残れた!そんなんで喜んでいるドッジボールならもうコーチをやめる!!」
何度も何度も怒ったなぁ。。。
保護者の方から代表にクレームがくるほどに。。。笑
でも、この笑顔が見たかったんだよな。本当に楽しそうだな。。。。

なんだか、もう負けてしまうような回想録が始まろうとする矢先。
それまで徹底的にコースを衝いてボールをコントロールしていた我がチーム。
ボールは外野の5年生サブアタッカー次男坊へ。
「!? 撃つ!?」
毎日、家で日課としているタオル振り。併せてステップにも注意するように言っている。
瞬間で分かった。
ボールは逆クロスのサイドの選手の方向へ。
本人曰く「狙っていたわけはない。」(やっぱり。。。。)
でも、その斜めに飛んだボールは正面を向いていない選手の腕を抜けてコートの外に。
逆点。マイボール。
そうなると、もう一人の5年生サブアタッカーも黙っていない。
アタックの確率なら負けないぜと言わんばかりの得意の低めのアタックを決めて帰還。
最後は6年生3人がきっちりとゲームを支配して試合終了。ようやく、Ⅴポイント縛りからの脱出(笑)。
そして、みんなでこじ開けた「鉄の壁」。
そして、みんなで辿り着いた初めての「決勝戦」

決勝戦の相手はもちろん埼玉県チャンプ。
ここまで4セットのⅤポイントマッチを闘い、準決勝もフルセット闘った子どもたち。
もはや、なす術なくセットカウント2-0の敗戦。
2セット目は2人まで削られた。。。(/TДT)/

でも、最後にコートに残ったのは5年生2人。 最後の1球。来年のチームの中心になるであろうHの根性の横っ飛びカット。 立ち上がりすぐにサイドで待つ6年生エースTへパス。Tのアタックで終了。 「最後にTに撃たせるんだ!」そんな5年生の気持ちのこもったプレーが見れたのが良かったな。

最後の最後で「決勝の舞台」を経験できて良かったな。 その日、集まった選手たちのなかで最後までコートに残れるのは2チームだけ。 その日集まった選手たちみんなが見ている中で闘う決勝のコート。
6年生たちは昨年5年生として何度か経験しているけど、自分たちの力で辿り着いた舞台は格別だったと思う。
「何のために闘うのか?」
その答えが見えたんじゃないかな?

~想い
チームとしては新人戦以来の入賞。そして準優勝。
ここまでの10か月を想えば最高の結果だったと思います。素直におめでとうと言いたい。

でもね。

「うれしかった。楽しかった。
 でも。でも。でも。でも。でも。でも。

 優勝したかった。」

 そういう想いを抱いた選手はいただろうか?

 決勝戦。相手のチームを1人も削れなかった。

 そんな決勝戦しかできなかったことを悔やんだ選手はいただろうか?

 強くなれるか?

 それを決めるのはそういうところだと思うよ。