6/5(土)の定例練習日。
最近は、練習開始時間10分くらい前に着くように家を出ているのですが、いつもより少し早く家を出ました。

以前は30分前には着くようにしていたのですが、早く着くと「早く準備しろ―!」と子どもたちを怒ってしまい(笑)、選手の自主性を育むためにもギリギリまでいかないことにしています
(もちろん、着いたときに準備が全然進んでいないと落雷です(笑))

この日、早く家を出た理由は新入団員が初めて練習に参加するからではなく、6年生たちに大切なことを話したかったのです。

この練習日の前の週。
6年生女子のSが「どうしたらキャッチができるようになりますか?」と聞いてくれました。
その前の週の大会で、ボールが怖くて逃げて当たることから、予選6試合の後半3試合をベンチから試合を応援していたS。悔しかったのだと思います。

早めに着いて、準備をおえた6年生たちをグラウンドの隅に集めます。
「先日の大会の予選で、Sはベンチに下げられました。
 6年生だからといって試合に出られる、と思ってないよね?
 それは、それでいい。各自が頑張るべき。

 今日、みんなに聞きたかったのは、あのとき誰かSに声を掛けてあげたかな?」

3年前の話を6年生たちに聞かせました。

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3年前。コーチになって2年目の年です。
5年生チームから見てきたチームの2年目。私がコーチをやることを決意させた選手たちの代。

1月のドッジやろうぜ杯。
予選でその夏の全国大会の栃木県代表と対戦しました。
春の全国大会に向けて、今のチームの力を見るという点においても大切な試合です。

終盤になりリード。残り30秒。
相手外野から内野へのパスを、アタッカーの6年生が無理にカットに行きアウト。逆点負け。
「リードをしているときに、なぜ無理にカットにいこうとするのか?」
これまでも、大切な場面で勝ち急ぎ、試合展開を考えないプレーをしてしまうT。
次の試合でも、全く同様のミスをTがしてしまい2連敗です。

大切な大会での連続での同じミス。「できない」ではなく「やろうとしていない」ではベンチに下げざるを得ません。
監督から「次の試合はベンチで良く考えなさい」と言われ、試合に出たくてしょうがないTは大号泣です。

反省会を終え、選手たちが待機席に戻るなか、Tは通路の端で膝を抱えて泣いています。
言葉をかけようかと思ったとき、同じ6年生女子のMが黙ってTの隣に座ります。
何か言葉をかけるでもなく、ただ一緒にそばにいる。
その場はMに任せました。

次の試合。
ベンチの横で俯くT。
セットアップのコートに向かう6年生たち1人1人がTの肩・胸をトントンと叩いてコートに入ります。
「絶対に勝つからな」
「次の試合にはでるぞ」
「いつまでも泣いてるな。らしくないぞ。」
そういった想いが伝わってきます。

当時の6年生たちは強かった。
その秘密はこういうところだと今思います。

決して仲間を一人にしない。
全員ドッジというものを真剣に考えていてくれたと感じます。

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これからも、6年生は沢山怒られる(笑)
特にキャプテンのMやエースのHは余計にね。

でも、そんなとき、君たち6年生6人で必ず支えてあげて欲しい。
ドッジボールが好きということで、このチームで共に戦う仲間なんだ。
必ず1人しないで。
常に自分のことだけでなく、仲間のことを想う気持ちを忘れないで。

それが後半戦になってチームの力、君たちの力になるはずだから。


ほんの10分程度のミーティングでした。
でもとっても大切なことを伝えることができました。